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地域循環共生圏を知ろう

環境×芸術×行政が織りなす、「亀岡版」地域循環共生圏形成

京都府亀岡市
亀岡市イメージ写真

亀岡市では、「アユモドキ」という国の天然記念物に指定されている魚をはじめ、多様な生物を育む「母なる川、保津川」から海洋プラスチック汚染の原因となる海ごみを無くす取組を進めてきました。大量のペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみが、保津川をはじめとする自然景観や生活環境、観光に大きな影響を与えていたからです。

平成30年に、その取組を深化させる形で、2030年までに使い捨てプラスチックごみゼロのまちを目指す「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を行い、自然環境の保全と地域経済の活性化に一体的に取り組む『世界に誇れる環境先進都市』を実現していくこととしました。

プラスチックごみゼロの取組の礎となるのは「消費者の環境意識」です。亀岡市では、市民のライフスタイル変革に向けて、環境問題だけでなく、アートの視点を取り入れた「環境×芸術」という切り口で取り組みを進めています。その一つが、廃棄予定のパラグライダーを有効活用し、素敵なバッグとして生まれ変わらせる「KAMEOKA FLY BAG Project」です。

空に浮かびあがるFLY BAG(写真)
空に浮かびあがるFLY BAG
好きな場所を切り取ってエコバッグに(写真)
好きな場所を切り取ってエコバッグに
エコバッグが完成(写真)
エコバッグが完成

亀岡市は自然環境豊かな美しい景観に恵まれたまちです。

亀岡市環境市民部環境政策課の中川さんは、「きれいな街並み、当たり前に受けている恩恵、風景、自然を次世代に残し、よりよくしていくのが私たちの責任だと考えています。」と地域循環共生圏の取組への想いを語ります。亀岡市の特徴は、「KAMEOKA FLY BAG Project」や「かめおか霧の芸術祭」など、行政と芸術家の方たちが手を組んで活動に取り組んでいるところです。

中川さんは、「環境問題は、行政からだけでなく、芸術やデザインといった感性の分野から訴えかけたほうが、より多くの人にイメージやメッセージが伝わる可能性が高まります。芸術家の皆さんに一緒に取り組んでもらい、芸術的視点を入れて訴えかけていくことがアプローチの一つです。」といい、より多くの人に共感してもらい、ライフスタイルを変えてもらうためには、環境という狭い分野だけにとらわれないほうが良いと考えています。

そんな中川さんに、これから地域循環共生圏づくりへ取り組まれる地域へのアドバイスを聞いてみました。「最初は、気軽に考えてもいいのかもしれません。重要なのは、気張らずにまずはやってみることでしょうか。何かやってみると何か生まれる。様々な制約にしばられることも当然ありますが、とりあえずやってみて、仲間を作っていくことが大事です。」

同じ部署にも、障壁を苦に思わないポジティブなメンバーがそろっているといいます。そうした柔軟な空気も、芸術という別の視点によって共感を得られた結果なのかもしれません。

活動団体と関係市町村が連携して取組む(写真)
活動団体と関係市町村が連携して取組む
京都芸術大学教授松井さん(写真)
京都芸術大学教授 松井さん

ステークホルダーとしてお話をうかがったのは、京都芸術大学 教授の松井さんです。

IAC国際陶芸アカデミー理事や滋賀県立陶芸の森館長、一般社団法人きりぶえの代表理事も務める多彩な顔を持つ松井さんですが、芸術家として、行政の取組に関わる想いについて聞いてみました。「霧の芸術祭を担当している行政の人は、「個人的な意見ですが」と前置きをした上で、しっかりと自分の思いを述べる方が多い。彼らは、外部の価値観で動いているのではなく、自分の考えを述べてくれるので、スムーズに連携できる。会議をしていても、目指す世界の住民として、一緒にやっていける人と取り組んでいるという共感を持てる。」「アクションを起こすと反発をうけることもある。そのたびに市役所の皆さんとどういった想いでアクションを起こしたのかという説明に行って、そこで共感を得られるように、丁寧にお話をしていくことで、応援してくれる人が出てくる。初めから合意形成を目指してシナリオを描くと動けませんし、たいていそういうシナリオは面白くならない。」

また、「KAMEOKA FLY BAG Project」については、「亀岡はパラグライダーも有名ですが、その生地は安全面の問題から、品質に問題が無くても一定期間が過ぎていたら捨てるということでした。それならばもらえないかというと、廃棄に困っている人は喜んでいました。強度として十分なその生地を再利用し、パッチワークにしてみんなでエコバッグを作る。自分で作ることで愛着と理解が深まります。良いことをやっていても、美しくないと誰も見向きしないので、多くの方を巻き込むのに大事なのはそういった視点です。」芸術家ならではの感性を活かした手法で行政と協働するノウハウを教えていただきました。

※記事の内容は2020年時点のものです

関連情報

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その他関連情報(取組が紹介されているウェブサイト等)

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