火力発電所跡地から生まれ変わる
「新たなエネルギー」と「豊かな自然の力」を活用し「ふるさと尾鷲」の復活を目指して。
尾鷲市は、リアス海岸の入江の奥に位置し、海と山に囲まれた自然の恵みが豊かな地域です。漁業が盛んで、多種多様な魚が市場に並ぶ“魚のまち”として知られています。
また、市の面積の約90%が森林に囲まれており、尾鷲の急峻な山々で木が成育するには非常に厳しい条件の中、長い年月をかけ育った、強靭で美しい光沢が特徴の「尾鷲ヒノキ」の産地として有名です。
一方、大都市圏からの高速道路が全線開通するものの距離が遠く、雇用の流出や少子・高齢化、過疎化の問題に直面しています。
そのような状況の中、2018年12月に中部電力㈱尾鷲三田火力発電所が廃止され、54年の歴史に幕を閉じました。より一層、人口減少や産業の空洞化が想定される中、尾鷲市では、跡地を有効活用した地域活性化を掲げています。
2018年8月、尾鷲市、尾鷲商工会議所、中部電力㈱の3者に、オブザーバーとして三重県、国立大学法人三重大学を加えた「おわせSEAモデル協議会」が発足しました。S(市民サービス・文化・観光)、E(エネルギー)、A(農林水産業・商工業)それぞれのプロジェクトが相互に連携し、地域に好循環をもたらす、新たな地域活性化モデル「おわせSEAモデル」を構築する取組です。
プロジェクトS(SERVICE)は、市民サービス・文化・観光事業をメインとし、広大な発電所跡をハブとして尾鷲の持つ資源を活用したサービス・コンテンツの充実を図り、持続可能で、市民だけでなく観光客においても親子3世代で楽しめる場所を目指しています。
プロジェクトE(ENERGY)は、再生可能エネルギー事業を通して、周辺地域の間伐材等の未利用エネルギーの有効活用による脱炭素社会、循環型社会を目指しています。
プロジェクトA(AQUA/AGRICULTURE)では、Eの再生可能エネルギーを活用した循環型産業として、植物工場事業や陸上養殖事業を検討しており、尾鷲の恵みと新たなエネルギーの有効活用で働く場所、雇用、新たなビジネスの創出を目指しています。
「一つ一つ協力しながら積み上げて、自分たちの手でこの尾鷲地域に合ったデザインで作り上げていきたい。」
尾鷲の持つ広大な自然の恵み、魅力あふれる地域の活力、尾鷲らしさを大切にしながら、人々が集い活気あふれる「ふるさと尾鷲」の復活に向けて、プロジェクトが進んでいます。
※記事の内容は2020年時点のものです
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