暮らしを守る森活プロジェクト

会津地域13市町村

会津の森林

水も空気も未来は「森の中」にある

今回ご紹介する会津森林活用機構株式会社は、森林資源豊かな会津地域を舞台に13市町村と連携。森林資源をフル活用することで地域経済を循環させる「暮らしを守る森活プロジェクト」を推進しています。「会津材」の活用による地産地消、林業フィールド拡大への協力や地域住民への森活啓発活動等を行い、関係市町村と関係を深めるとともに、地域内経済循環を目指します。道の駅への木質バイオマスボイラーの導入や、30万本/年の樹木苗木生産設備の竣工を実現した『植えるために伐る』その取組とは。

現地意見交換会

森林資源の持続的効用

今回ご紹介するのは、会津森林活用機構株式会社で取締役を務める小林靖尚さんです。東京のシンクタンクを経てその技術を生かし、現在は会津に移り住んで「暮らしを守る森活プロジェクト」の取組を進めています。コンセプトは「川上から川下までの一体化」。木材生産とそれに関わる雇用活性化を川上、流通・チップ製造等を川中、熱供給事業とそれに関わる雇用の活性化を川下と位置付け、植樹から「森箱※」の設置などまで、これらを境目なくつなげた活動を目指しています。また、森箱は、設備、燃料調達責任、メンテナンス責任などは全て民間企業が負い、施設側には熱だけを購入してもらう、いわばボイラーのリースとも言える手法を取り入れています。

「森林を守る活動をするためには行政の力を借りなければなりません。一般市民のニーズの高まりが行政を動かすと考え、行政の関係者だけでなく、県内外から訪れる方や、地元会津の森林所有者を含む一般市民へのアピールをとても重要視しています」と小林さん。

「全ての生の源は森にある。」小林さんはそう考え、森林の保全に日々取り組んでいますが、森の所有者の問題に頭を悩ませています。『植えるために伐る』、つまりバイオマス燃料となるカラマツを植えるために、放置されている古い木を伐りたい、しかし、細分化されたそれぞれの土地所有者が会津を離れていて連絡がつかない、という問題はまさに所有に関する制度上の問題であり、今後も行政や市民へのアピールを続けていきます。

※森箱とは、アーキビジョン21社が開発した、災害緊急住宅、カフェやオフィスといった多様な空間に活用可能な木造移動式住宅をもとに、会津森林活用機構が内装に会津産材を使いさらには木質バイオマスボイラーを組み合わせて、地産地消によって自立を可能にした「木製の箱」のことです。

森箱の考え方

森箱の事例(外観)

森箱の具体的事例
「スマートモデューロ」外観

森箱の事例(内観)

森箱の具体的事例
「スマートモデューロ」内観

もうひとかたお話をうかがったのは、株式会社三菱総合研究所の宮﨑昌さん。バイオマス燃料事業、再生エネルギー事業、農林水産分野に携わっています。

会津の取組の新しさは、地元の経済組織である商工会議所からの発意と行動が起点になっていることだと指摘します。「会津は豊富な森林資源がある一方で、経済的に見ると優良な建材となる材が育ちにくい土地柄。次の時代にシフトするため、今の森林資源を燃料としても採算が合う熱供給事業と組み合わせた上で、新しい森を作るため、『植えるために伐る』という選択をしました。そうした選択に踏み切れたのは、地域の経済・文化を古くから担い、人材を育ててきた地域の基幹産業つまり商工会議所の会員です。森林資源は地域経済と一体であるという大局観と、地元行政との課題意識の共有によって、13市町村が連帯して期待感を持って進めているところが会津の取組の特殊性といえます。」

日本は国土の66%が森林だと言われていますが、『植えるために伐る』ということを進めていくと、地権者はもちろん投資家の眼にも森林資源が資産としての価値を有することに気づくことができます。他業種では当たり前の「投資」が進むことは、これまでの森林資源・林業分野を一変させる潜在力を持つと期待します。会津の取組がそうした日本の森林資源・林業の新たな挑戦を促すフロンティアになっていくだろうという視点を持って宮﨑さんは取り組まれています。

関連情報
▼活動団体ウェブサイト・連絡先等
▼その他関連情報(取組が紹介されているウェブサイト等)
実際の森箱の具体的事例や関連情報
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